3階診療室内の予防コーナー。位相差顕微鏡、口臭測定器オーラルクロマを設置。歯周病治療の初回は、位相差顕微鏡ぺリオスコープで細菌検査とオーラルクロマで口臭検査を全患者におこなっています。
歯周病治療の進め方

1.歯周病原因菌の除菌療法
 口腔内には約500種類の細菌が存在していますが、歯周病の原因菌は、そのうちの10数種類と言われています。特に、下記の6種類は重要です。
@Porphylomonas gingivalis:成人性歯周炎の代表的な原因菌
ATannerella forsythensis
:歯周ポケットの深いところで検出率が高くなる。 
BTreponema denticola
:人の免疫機能を強く抑制するため歯周病菌の増殖を促してしまう。
CPrevotera intermedia
: 女性ホルモンであるエストラジオールやプロゲステロンを発育素とする歯周病菌。
DActinobacillus actinomycetemcomitans
:若年性歯周炎や急速進行性歯周炎と言われる侵輯性歯周炎から検出される。
EFusobacterium nucletum
:歯垢の形成に中心的な役割を果たしていて他の細菌と共凝集し細菌膜を形成する。
そのうち、@、A、BはRed Complexと言われている細菌群で、重症歯周病患者の約90%にこの細菌が検出されます。BのTreponema denticolaは、位相差顕微鏡で容易に観察できるため、この細菌がいる場合は、従来の歯石除去やブラッシングといったクラシックな歯科治療では効率的に除菌することが困難なため、まず抗生物質で除菌を行ってから従来の歯周病の治療に入ることが、最近行われるようになってきました。

              薬物療法前の口腔内細菌                薬物療法後の口腔内細菌
            (らせん状の細い細菌がBである。)               (Bは全く観察されない。)

                              再生にはが必要です。

2.歯周基本治療
 歯周病の治療の基本は、歯周病を引き起こし憎悪させる「原因菌の除去」です。歯周病のほとんどは、プラークを形成する歯周病菌を主因とした歯肉炎と歯周炎であり、これらを治療する基本は、まず第一に最も重要な原因であるプラークを歯科医師と患者さんが協力して取り除くことです。このためには歯科医師が患者さんに歯周病の治療の重要性を認識させ、適切な口腔衛生法を指導し徹底させることが最も重要であります。従って、まず最初に行う基本治療の内容は、患者教育、口腔衛生指導、歯石除去と歯根面の滑沢化が主なものとなります。

3.歯周外科手術

 歯周基本治療で歯周病はかなり改善し、歯周ポケットは浅くなってきますが、それでもまだポケットの深い症例では外科手術が必要となってきます。これは、深くなった歯周ポケットを浅くするための手術で、歯肉切除、新付着手術、歯肉剥離掻爬術などが行われます。これらの処置を行えばかなり重症の歯周病も治癒することが可能ですが、通院期間が数ヶ月になるため患者さん自身の”絶対歯周病を治すのだ”という強い意志が必要です。特に、Actinobacillus actinomycetemcomitans 
は、歯肉の中に侵入すると言われているため、この菌に感染している場合は、歯周外科は必須であります。 

歯周病は気長に通院し努力すれば絶対治る病気です
歯周病は感染症です。では、人によって歯周病を発症する人とそうでない人がいるのでしょう?

 
それには次のようなリスクファクター(病気を進行させる因子)が関係しているのです。
1.歯周病菌の感染の度合いが大きい
  
2.口腔内の不衛生、唾液量が少ない、歯並びが悪い、歯の治療が不適切
3.喫煙、ストレス、口呼吸
4.妊婦、思春期
5.免疫力の低下している高齢者、薬の副作用、遺伝的要因


もっとも一般的なリスクファクターは?
 細菌には、好気性菌と嫌気性菌があり、歯周病原因菌は嫌気性菌です。毎日の歯磨きがうまくいかず、歯垢の取り残しが蓄積すると次第に歯垢の厚みが増した結果、下層では嫌気的な環境になるため、歯周病の原因菌である嫌気性菌が増殖するようになります。

 

 
では、この細菌はどこから来るのでしょう?

 生まれたばかりの赤ちゃんの口の中は、ほぼ無菌(菌がいない)状態なので、歯周病菌や虫歯菌は、生まれた後に周りの人の口から、唾液(つば)を介して感染すると考えられています。これらの菌は、3歳までに子供の口に感染しなければ、その後は感染しにくいと言われています。

歯周病とは

 歯周病(歯槽膿漏)は、歯の周りに原発し、その機能を侵す病的状態を言います。歯周病の初期症状は、歯肉の発赤、腫脹であり、さらに病気が進行すると、歯と歯肉が付着している部分の破壊が進み、歯と歯肉の間の隙間(正常では2mm以下の深さ)は歯周ポケットが出来て深くなり、歯を支えている組織(歯根膜や歯槽骨)が破壊されて歯の動揺が生じ、歯を失うこととなります。これらの変化の多くは初期段階ではあまり自覚症状がなく、多くの患者さんはかなり進行して気づくことが多いようです。
抜歯される歯の半数以上は歯周病が原因です。
 歯周病は、歯垢(プラーク)の中の細菌が原因となって生じた炎症性疾患です。歯垢(プラーク)は歯、歯肉、金属冠、入れ歯などに付着する多数の細菌から構成されており、これらの細菌の中で歯周病に強く関与していると考えられる細菌を歯周病関連菌と呼びます。






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